近年のがんの分子生物学の著しい進歩により、がんはおもにドライバー遺伝子の変異が原因となって発症することが明らかになってきました。また、ドライバー遺伝子産物をターゲットとした薬剤(分子標的薬)は、高い治療効果が期待できます。よって、個々人の遺伝子変異に基づいた個別化医療が急速に臨床現場に普及しつつあります。
分子標的薬の治療効果予測につながる遺伝子変異は多様であり、特定の分子標的薬は、同じ臓器がんでも標的となる遺伝子変異を持っている一部の患者にしか奏効しません。そのため有効ながん治療を行うためには、個々の患者さんのがんがどのようなドライバー遺伝子変異を持っているかを検査することが重要です。しかしながら現在のところ、日常診療で調べられる検査は、ごく一部に限られています。そのためドライバー遺伝子の変異を網羅的に解析できる、がんゲノムパネルを用いた次世代シークエンサーによるMulti-plexのがんゲノム検査の普及には大きな期待がかけられています。
当院で行う、自由診療としてのがんゲノムパネルは、1種類あります。
原発不明がん、稀少がん、標準治療に不応となったがん患者さんを対象としています。Guardant360(ガーダント)はがんに関連した74遺伝子を調べます。これは血液中に含まれる腫瘍片の遊離DNA(cfDNA)を取り出し、腫瘍のゲノムを解析して、がんに対応する正しい治療法を探すことができます。
チェックリストをご確認いただき、患者さんが検査の希望をされた場合は、がん遺伝子診断外来にご紹介いただければと思います。
ご不明な点については、徳島大学病院がん相談支援センター(TEL:088-633-9438)までご連絡ください。