生殖医療施設

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抗がん薬には,卵子・精子および卵巣・精巣機能に大きく影響するものと,ほとんど影響しないものがあります。妊孕性を損なうリスクが高い方は原疾患の治療の前に、未婚女性であれば卵子、結婚していれば夫との精子と受精させて受精卵を凍結し、男性であれば精子を凍結保存して妊孕性を温存することが考慮されます。ただし卵子を確保するためには排卵誘発剤での卵巣刺激が必要であり、採卵という侵襲的処置も必要となるため2週間程度治療に要します。一方、初経前の小児や治療開始までに時間がない症例では腹腔鏡手術で卵巣を摘出し卵巣組織凍結が行われることがありますが、現時点では研究的治療と位置付けられています。

調剤と情報 2017年9月 特集企画 AYA世代がん患者のサポーティブケア
「AYA世代がん患者のがん薬物治療と妊孕性への影響 (中村健太郎、高江正道、鈴木直)」改変